yashica ELECTRO35 FC
電子シャッタ− により1/1000秒を実現



   

発売は昭和48年7月。
この時点で、ヤシカは全く新しいダイキャストを使用している。このダイキャストは、後の名機、GXに使用されていくが、このサイズはいままでのGSやGTではなく、CCNでもない適度に小型化されたサイズである。
装着されたレンズも、今までのレンズの流用ではなく、40mmF2.8という新しいレンズを組み込んでいる。

しかしながら、この時期である、ヤシカにとっては新しい企画であっても世はコンパクトカメラのゴ-ルドラッシュの嵐の中、カメラ全体でみれば特にめずらしいカメラでもなくファミリ−カメラの位置付けで埋もれてしまったと思う。
レンズがF2.8であることがその最大の欠点であると僕は思っている。大口径レンズが単焦点ではあたりまえの時代に、F2.8ではあまりにも地味すぎた。
特徴は電子シャッタ−による1/1000秒の実現であるが、これとて隠れたスペックでしかなく、このことをもって名機とするには少し無理がある。

このカメラの作りは、後の名機GXと似ているが、トップカバ−と底カバ−のアルマイト仕上はGXと比較するといかにも安っぽく感じる。距離計の窓のところから左斜めに奥を覗けば、配線のビニ−ルコ−ドが見えるところなどは手抜きとも受け取れる。


GXとFCの大きさを比較してみると全く一緒に見える。しかし公表デ−タで比較すると、

FCは   123 × 77.0 × 57mm   重さ465g
GXは   123 × 75.7 × 64mm   重さ520g

微妙に違うのである。重さは持ってみただけでGXが重いことはすぐにわかるが、大きさの違いはほとんどわからない。

この頃では珍しい電子のセルフも、セルフのランプがつきっぱなしで突然カシャッとシャッタ-が切れるところなども、今の時代に比較してはいけないと思いながらも使いずらい。


みのかんのFC
このカメラは、僕にとっては記念すべきカメラである。何が記念かといえば、このFCをもってヤシカエレクトロ35のシリ-ズをすべて所有したことになるからである。
もちろんマイナ−バ−ジョンを入れれば、正確にはシリ-ズをすべてということにはならないのであるが、それはまぁいいとしたら、実質的にはすべてを所有している。

実はヤフオクで出品アラ−ムに登録しておいたので、この1年くらいの間に、何度か通知がきていたのであるが、長年のカンで、これは高い、これは修理不能のジャンクといって振り分けていたら、なかなかいいものが見つからなかった。

今回はジャンク扱いということで1270円で落札した。送料等を含めると結局2000円くらいになるのだが、ジャンクでこの値段ならという判断である。
届いたカメラに早速電池をアダプタ−を介して入れてみると、やはりジャンクであった。まぁ仕方ないかと修理を始めると、分解途中で、スロ−ランプが点灯した。これはいけると思い、そのまま組み立てたら見事に正常に戻った。恐らくどこかの接触に問題があったのであろう。

ただ、分解の為にレンズをはずしてしまった為、ピント出しに苦労した。なぜならこのカメラ、Bの開放がないからである。どうやったかというと、マッチ棒をシャッタ−の口径に合わせて切り、これを無理にはめ込んで開放としたのである。この後もピントレバ−との連動で苦労するのだが、他は簡単な修理だったので、これくらいの苦労はへとも思わない。なにしろジャンクの1270円である。

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